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琉球帆布の藍染製品 その三

前回の続きより。

いよいよ琉球帆布が藍に染められていきます、、、!

慎重に帆布を折り曲げながら染めに入る加藤さん。

大きくて分厚い帆布を慣れた手つきで折り曲げていく加藤さん。

音を立てず、静かにゆっくり、、、。

藍の中へ入れ込んだあとは両手を器用に動かし、ムラが出ないよう満遍なく揉み込んで藍を染めていく加藤さん。

「今、どんな状態か見てみましょうか。」

ゆっくりと帆布を水面に引き上げてみると、、、

綺麗!

まるでイラブチャー🐟の様なコバルトブルー。

※イラブチャーとは?下記に貼っていますのでどうぞご覧下さい※

https://www.zukan-bouz.com/syu/ナンヨウブダイ

もうしばらく揉み込んだのち、ゆっくりと帆布を引き上げる加藤さん。

「染めて干す際も、ペタっとならない様に

広げて空気を入れ込む様に干すことに気をつけながら取り扱っています。」

「空気に触れることで藍は色合いが深まるので、

理想とする色になるまで繰り返し染めていくんですよ。」

帆布を染めるとなると、通常 4 日間に分けて 10 〜15 回染めるとの事。

藍が染み込んだ帆布はずっしりと重く、引き上げて物干し竿に載せるのも大変そうな様子。

「慣れるまでが大変ですけど。

ここまで大きいのはこうやって野外で染めて干すのが一番良いですね。

帆布の場合、干して空気に接触させる時間が長いので。

そうそう!帆布もですが、最近だとご依頼品でズボンも藍に染めて干していましたよ。」

加藤さんの工房では、小物だけでなく依頼を受けて

シャツやワンピース、ズボンも染めて頂けるとの事。

※藍染が気になる方は是非、琉球藍染ちょく工房までお問合せ下さい。

加藤さんの素敵な藍染作品も販売しています。

この日、加藤さんが身につけていたTシャツも琉球藍で染めた一枚。素敵です。

この染めて干す過程で、ふわっと藍特有の香りが立つのも藍染めの魅力のひとつ。直に藍染めをしていないと感じることが出来ない特別な香りです。

「微生物のお陰で美しい藍は精製されるんです。本土と沖縄の藍の大きな違いのひとつとして挙げられるのは気温の変化ですね。」

「本土だと冬になれば雪が降りますね。だから藍の中に居る微生物の為にヒーターで温めたり・・・

大変だと思います。」

「ですが、沖縄の場合は年中温暖な気候ですよね。それでも藍瓶を温める人もいますが

本土よりは藍を管理しやすいと思います。」

作業の手を止めずに、淡々と藍について語りかけてくれる加藤さん。

私たちが目にする藍染めの美しさを際立たせているのは、

人知れず、藍という(生き物)に向き合い、手入れを欠かさない職人の方々の働きかけあってこその美しさであったという気づきを得ることが出来ました。

バケツいっぱいの琉球藍。

そうこうしているうちに、帆布に目をやると、、、、

だんだん青さを増していきます。

2回目、3回目、、、と染めて、干す。を繰り返していきます。

最初見たイラブチャー🐟色はいずこへ。

群青色の帆布に変化しています!

「ちょっと回します。」と、隣の藍の様子も気にかける加藤さん。

干している間、加藤さんに藍染めの魅力について聞こうと用意してきた質問よりも

加藤さんが何故、単身で藍染めをしているのかが気になり

思い切って尋ねてみました。

「そうですねー。元々は藍染がしたくてというよりは。まったく別の、IT関係の職に就いて全国色んな地域で仕事をしていたんですよ。で、まぁ、、、

脱サラしまして。沖縄へやってきました。」

意外すぎる前職に驚きつつ、では藍染めに興味があってこの道を選んだのですか?と尋ねてみます。

いや、実は最初から興味はなくて。藍染めに出会うまで沖縄各地でまた色んな仕事をやっていたんですよ。

(いい意味で)想定外の答えを出しまくる加藤さん。

とてもユニークなお方だなと、加藤さんの生き方に興味が湧いてきました。

「たばこ農園で働いたり、、、タバコ吸わないのにですよ(笑)

いろいろ見たり、やったりしている中でまたITの仕事にも就くんですが

まぁ、いろいろ任せて貰いつつ、自分の道探しをしたいと思いまして。

そんな中、藍工房のオーナーさんとの出会いがきっかけになって。

藍染めを学んでいく道へと繋がりました。」

人との出会いがきっかけで琉球藍を育て、

染める「藍職人(エーヌジャー※沖縄方言で藍を抜く人の意。)」の道に辿り着いた加藤さん。

丁寧に琉球藍に向き合う姿勢から、加藤さんのこれまでの人生経験によって培われた気概を感じます。

どうぞ、近くで見てみてください。と、藍染された帆布に触る加藤さん。

近づいていくと、琉球藍の豊かな香りが鼻に入ってきます。

夏の夜空のような深い青。格好良い。。。

「また分からないことがあれば、いつでも尋ねて下さいね。」

と、最後までにこやかに笑って送り出して下さいました。

加藤さん

お忙しい中、取材を引き受けて下さり

ありがとう御座いました!どうぞこれからもよろしくお願いします。

最初は

琉球帆布の藍染製品がどのように作られているのかだけが気になり、

琉球藍染ちょく工房の加藤さんのもとへ取材をしましたが

実際に目にして理解する、

琉球帆布の厚い生地を、理想とする藍色になるまで何度も何度も藍に浸して乾かすことの大変さ。

その大変さを理解した上で、味わいのある藍染の帆布を長年、届けてくれている職人さんがいるということ。

我々のシンボル・琉球藍の織りネーム。

加藤さんが丹精込めて染め上げた琉球藍染を

新垣率いる琉球帆布ファクトリーチームが一針一針、

技術と心を込めて制作し、

琉球帆布の藍染製品として店舗へと陳列されています。

真摯に物作りをされている職人さんへ

尊敬と感謝を込めて

販売スタッフとして、職人さんそれぞれの仕事への想いを忘れずに

全国に琉球帆布の良さを届けていくことが自分に出来ることのひとつだ。

と、(個人的には)気を引き締める良い機会となりました。

このブログを最後まで目を通してくれた読者の皆様も

どうもありがとうございます。

沖縄の風公式Instagramの方でも、此度の琉球帆布の藍染製品の紹介を動画で配信しております。そちらも是非ご覧下さいますとスタッフ、嬉しいです。

琉球帆布の藍染製品、店舗及び公式ショッピングサイトにて発売中です。

沖縄の風

某スタッフより

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