沖縄の風コソコソ話~行事編~
皆様、ごきげんよう
沖縄の風です。
そろそろ満月が顔を覗かせる頃合いでしょうか?
本日は十五夜ですね。
♪じゅうごや~お~つきさ~ま
に供えるものといえば…そう!
『ふちゃぎ』ですね。
沖縄版、月見団子がこのふちゃぎ。
本土出身の友人は
初めてふちゃぎをみた時、
このインパクトあるビジュアルに若干ひきつった顔を浮かべつつ、
『これ、どんな味がするの?』
と尋ねてきました。
正直に申しますと、
甘くはなく、軽い塩気のする
至ってシンプルなお味。
ただ、令和の現在では多くの人に美味しく食べて貰いたい、という各メーカー・スーパーマーケット様たちの気持ちを反映しているのか
このように
甘味を施こされたふちゃぎなども店頭に並ぶようになりました。
さて、ここでもう少しだけふちゃぎのコソコソ話を続けます。
ふちゃぎの名前の由来は本土の『吹上餅』から。
本土の月見団子はボールのように丸めて供えるのがほぼ主流な中、沖縄のふちゃぎは小判型。
そしてなぜか、豆は潰さずにそのまま餅にひっつけるという仕様。
よく言われているのが、餅本体を『月』と見立てて『豆』を星や子どもに見立て
豊穣や子孫繁栄をかたどっている、という説が有名ですね。
私事になりますが、大学生時代に受講していた民俗学の講義で
このふちゃぎに関する説話を友人と共に受講した事がありました。
教授(仮名・マツコ先生)によると
かつて死んだと思われていた人が
実は生きていて墓から出てきたから
皆が喜んで大慌てで餅をこさえて生還を祝った。
から、あのような少々大雑把な仕様になってしまった。
という興味深い説や、
潰すと厄除けにならない為に
あえてそのままの豆をつけている
という説を話してくださいました、
ですが、最後に
マツコ先生曰く
『単純に潰すと味わいが変わるし、面倒だからそのままにしたんじゃないのかねぇ。でもねぇ、見た目がねぇ…まぁそこが沖縄の民俗風習の面白い所ですよ、皆さん!』
と
さすが民俗学専攻らしい、
当時の琉球人の気持ちに寄り添った(?)
独特の意見を交えつつ、ふちゃぎのご紹介をして下さった事が印象深く残っております。
先生、お元気にされてますか?
私は元気に沖縄の風で働いています。
毎年、この季節に街中で
ふちゃぎを見かける度に
先生の
某有名女装毒舌タレントさんそっくりの口調と風貌で
ふちゃぎに関する独自の見解を楽しそうに述べる様子を思い出します。
………ふちゃぎデラックス!!!!!
さて、
そろそろ本気で沖縄の風代表と店長に
『沖縄の風、関係ないじゃないか。どうなっているんだ』と
お叱りを受けそうなので
急いで
今からふちゃぎを買いに行きたいと思います。
今日はこの辺で。
沖縄の風
藤田